3.3.11は終わっていない―渋谷のストリートアートの政治的メッセージ―

 渋谷宇田川町の道玄坂下交差点の脇にあるマツモトキヨシ渋谷Part1の裏側の壁に、種々雑多なストリートアートが描かれている。その中で一際目を引くのがこの少女のステッカーだ。放射能マークの赤い花びらを、少女が吹き飛ばしている。
 渋谷を活動の拠点として、世界的に注目を集める覆面の男性グラフィックアーティスト281_Anti Nukeによるもので、同様のステッカーは街の方々で目にすることができる。英文WebサイトやTwitterやFacebook等を駆使して、世界中にアートで反原発を訴えると共に、「JAPAN KILLS JAPANESE」という作品が表すように、原発事故を起こさせたのは地震や津波ではなく政治(国家)なんだというメッセージが込められている。
 人通りが多く、路地裏では無数の落書きやストリートアートであふれる渋谷だから、281_Anti Nuke氏をして自らの作品ステッカーをあちこちにゲリラ的に貼ることを可能とする。そして、この雑踏こそが、彼にとっては最高のキャンバスになるのである。
写真撮影者:日本大学2年 大浜匠
2017年7月27日(木) 15時37分
東京都渋谷区宇田川町22-3にて撮影

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