9.You need DENPA? ―違法電波注意報―

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 一際目を惹く張り紙。地下一階にある居酒屋「高田屋」御徒町店が、携帯電話を店内で使用できるようになったことを入口で知らせている。携帯電話中継装置の設置により、地下に電波が入るようになったのだ。この中継装置、本来は電波法の定める免許を取得した電話会社のみが設置できる。しかし、値段が高い(数百万円)。そのため、1年程前から安価(約30万円)な装置を無免許の事業者が設置するケースが増加してきた。「高田屋」もそれにあたる。増え続ける違法装置は電波法の規定値以上の強い電波を発し、地上の通話に障害をもたらす恐れがある。だが、取締りはさほど行われていないのが実状だ。
 通話できる「地下」と通話できない「地上」との逆転現象。一方における違法行為による「利便性/受益」の確保が、他方で「不便性/受苦」を強いるという錯綜した関係。電波障害が引き起こされると分かっていながら、装置の使用が拡大し続けるという事態は、携帯電話の存在意義すら脅かす状況を作り出してしまっている。
写真原作者:日本大学4年 藤田真也
2003年7月22日(火)13時30分頃
高田屋御徒町店(台東区台東4丁目)にて撮影

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