4.「お話、聞きます」 ―低視線の別世界―

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 少女が席を立つと、すぐに別の少女が座る。様々な喜怒哀楽の表情を浮かべながら、長い間会話が続いた。ある日曜日の夕方、渋谷駅前の人込みの中での出来事であった。
 話を聞くオレンジ頭の男性は、枚方(ひらかた)バンダム氏。吉本興業を辞めた後、2001年に思い付きから路上に出、見ず知らずの人の話を聞き始めてもう3年になる。年間約5千人が彼を訪れ、話をまとめた本も出版した。なぜここに沢山の人が訪れるのだろうか?
バンダム氏の人柄とは別に、「人込みの中で座って話す」というスタイルに注目してみよう。座ることで周囲と視線が合わなくなり、さらに人々が絶えず行き交う状況が、まるで2人以外存在しないかのような別世界に誘(いざな)う。だからこそ、あの人込みの中でも構えることなく話が出来るのだ。
「東京」の雑踏で、枚方バンダム氏が作り出すこの「低視線の別世界」。今日も又、引き込まれるかのように次々と誰かがやってくる。
写真撮影者:日本大学2年 森川瑞穂
2004年6月26日(土)16時半頃
渋谷駅ハチ公前広場(渋谷区道玄坂2丁目)にて撮影

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