14.人も鈴なり大入りなり ―「演劇の街」としての下北沢―

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 下北沢には8つもの劇場が密集している。その1つが、ここ「ザ・スズナリ」だ。この劇場は、本多劇場のオーナー・本多一夫氏が当時アパートだった建物を改築し、1981年に劇場としてオープンさせた。当時、下北沢に劇場は一つもなかったが、ここと1982年の本多劇場オープンを皮切りとして、下北沢は「演劇の街」に生まれ変わっていった。
 また、1990年、「下北沢演劇祭」が北沢タウンホール落成を記念して始まった。今年で12回目を迎え、商店街と劇場が共催し区が後援する、まさに地域密着型の全国的にも類を見ないプロ・アマ混合の演劇祭として定着・発展している。企画委員を務める大岩正弘さんの話では、「下北沢の演劇文化の灯を絶やさないことを目的としている」という。
 ザ・スズナリは老朽化が進み、少し前に取り壊しの話も出たが、人々の強い反対を受けて中止となった。下北沢の演劇文化を支えてきたこの劇場に、演劇人・観客・そして地域の人々はそれほどの愛着を持っている。だから今日も、人々が「鈴なり」に集まってくる。
写真原作者:日本大学3年 青木暢正
2002年6月29日(土)
ザ・スズナリの前(世田谷区北沢1丁目)にて撮影

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