18.NO NUKES!―原発リスクの可視化と可知化がもたらす社会運動―

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 2011年3月11日(金)の東日本大震災の翌日、福島第1原子力発電所の1号機が大爆発してから1年以上が経過する中で、人々の原発に対する意識は大転換を遂げた。
 2012年7月16日(月・祭)には、「さようなら原発10万人集会」が代々木公園で開催され、全国各地から目標の10万人を大幅に上回る17万人(主催者発表)が集結した。集会後にはデモ行進が行われ、JR原宿駅近くの歩道橋では、隅々まで立ち並んだ人々が見入っていた (写真1)。
 後藤ゼミでは、集会参加者112人に質問紙を用いたインタビュー調査を行った。原発事故が起こる以前と以後の考えについて集計・分析すると、以前から反/脱原発派だった人が62人(58%)と半数以上を占める一方で、無関心層から反/脱原発派になった人が34人(31%)もおり、反/脱原発志向が相当な広がりをもって強まっていることがうかがえた。
 写真2と3は、毎週金曜日に行われている「首相官邸前抗議行動」の様子である。老若男女が集まって「再稼働反対」の声を上げ(写真2)、時には女性の人文字で「KNOW NEW KISS」と描かれた横断幕を掲げる8人の女性が現れたり(写真3)。誰もがキスしたくなる核のない素敵な世界にしていこうという願いが込められ、反/脱原発を意味する「NO NUKES」と韻を踏んでいる。官邸前抗議行動は、2012年3月29日(木)に300人で始められたが、回を重ねる毎に参加者が増え、大飯原発再稼働前の6月29日(金)には20万人まで拡大(主催者発表)。その後も毎週行われているだけでなく、全国中に飛び火し、「路上からの革命」と称されるようになっている。
 後藤ゼミでは、抗議行動参加者203人にも同様の調査を行った。この集会を何で知ったかの問いに対して、「新聞やTVなどのマスメディアで」(48%)、「Facebookやツイッターなどのソーシャルメディアで」(31%)、「家族や友人に誘われて」(21%)、「集会・デモや講演会・勉強会に参加して」(10%)などとなっており、人を介して知った人の割合が少なくないことが分かる。更に、1人で参加している人63%、原発事故以前は無関心だった人39%、反/脱原発のデモや集会への参加回数が10回以上の人27%、「全ての原発を直ちに止めて、全てを廃炉にする」という原発政策を支持する「急進的な反原発派」が、以前は無関心だった人の中でも68%と多数派となっている、などといった点も特徴的だ。
 写真1の歩道橋の上で高みの見物をしているように見える人々は、決して原発無関心層とは言えない。心の中で一緒に声を上げているかも知れないし、次の機会には声を上げる側の1人になるかも知れない。フクシマ以降、原発の安全神話は地に落ち、生命・生存を脅かす制御できない危険性が潜んでいたことを多くの人が知ってしまった。フクシマによって原発リスクが目に見えるようになり、認識するようになったことが、無数の人々を反/脱原発のムーブメントに駆り立てるのである。誰に促されるわけでもなく、自らの判断と意志に基づいて・・・。
写真撮影者:1.日本大学3年 弟子丸萌 2.日本大学3年 益田佑利絵 3.日本大学3年 益田佑利絵
1.2012年7月16日(月)14時55分 2.2012年10月12日(金)19時18分 3.2012年9月28日(金)17時07分
1.JR原宿駅付近(東京都渋谷区神宮前6丁目35)にて撮影
2.首相官邸前(東京都千代田区永田町2丁目)にて撮影
3.首相官邸前(東京都千代田区永田町2丁目)にて撮影

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