9.「東京人」のペットの“買い”方 ―猫と戯れる時間の消費―

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 大胆に露出した生足を無防備に広げる女性と、それに擦り寄りエサをおねだりする猫。ここは新宿区歌舞伎町の猫カフェ「きゃりこ」だ。店内では血統書付き・教育済みの猫52匹が、営業時間の11時-翌朝5時半の間シフト制で日夜客を癒す「お仕事」をする。
 猫カフェは東京都に44店舗。次に多い大阪(16店舗)と比べても圧倒的に多い(「全国猫カフェマップ」調べ)。10月8日(土)13:00-17:00にこの店から出てきた43人を対象に行なったゼミ調査によると、40人が「また来たい」と答え、ほとんどが「かわいい」「癒された」などと肯定的に評価した。だが、34人は猫を飼っておらず、「世話が大変だから」が理由の1位となっている。
 食事の用意、抜け毛の始末、発情期の鳴き声、噛み癖・・・。一緒に暮らすとなると、かわいいだけでは済まされない。だからここには、「飼う」面倒を避けて、従順な猫と戯れるために一時的に癒しの時間を「買う」人々が集まってくるのである。
写真撮影者:日本大学3年 矢野世奈
2011年7月5日(火)22時00分
猫カフェきゃりこ(新宿区歌舞伎町1丁目)にて撮影

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