4.徹底的に管理された公園―‘おおやけ’の‘その’とは、何だ?―

 青々とした天然芝生の上で座ったり寝転んだり、多くの人が思い思いの休日を過ごしている。ビルと木々に囲まれた豊島区立南池袋公園である。2009年9月までの10年間、ホームレス支援団体が炊き出し活動を行っていたが、地元住民からの苦情を受けて、区は変電所工事を理由に公園を閉鎖した。事実上、支援団体とホームレスを閉め出したのだ。
 6年半後の2016年4月にリニューアルオープンし、ダイニングカフェも敷地内にある明るくて綺麗な公園に生まれ変わった。だが、芝生の上で走り回ったりボールを蹴ったりする姿はほとんど見られない。それもそのはず、22時?8時までの間は公園を封鎖し、芝生保護のためにビニールシート禁止、ベビーカーやペットの立ち入り禁止、ボール遊び禁止等々の制限を課し、徹底的に管理された公園になっているからだ。
 公園とは本来、「誰でも、いつでも、自由に」過ごせる公共空間であるはずである。果たしてここを、「公の園」と言っていいものだろうか?
写真撮影者:日本大学4年 鈴村 美和
2017年7月29日(土)15時44分
豊島区立南池袋公園(東京都豊島区南池袋2丁目21-1)にて撮影

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