11.開かずの踏切 ―急がば上がる朝の歩道橋―

写真1

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 建物の壁が赤く染まる夕暮れ時、買い物や仕事帰りの人々が踏切の前で待っている。待ち切れずに頭上に掛かる歩道橋を渡る人は、写真には映っていない。この小田急線代々木八幡駅の踏切は、ピーク時の1時間に40分以上遮断される「開かずの踏切」である。
 後藤ゼミでは、9月19日(金)の7-9時、10月9日(木)の17-19時に直接観察調査を行った。7-9時は、通行者613人中、歩道橋利用者67.0%、踏切利用者33.0%であったのに対して、17-19時は、通行者921人中、歩道橋利用者25.7%、踏切利用者74.3%と、逆の結果となった。朝は自転車を担いで歩道橋を渡る人の姿も目立ち、いつ開くかわからない踏切を待つより歩道橋を選択する人が断然多いことが分かった。
 駅の両側に改札口があるため、電車利用者はこの踏切を使わない。こちらからあちらへ/あちらからこちらへ行く時に急ぐ場合、踏切が閉まっていたら直ちに歩道橋を駆け上がる。これが、電車を使わずに通勤・通学する人々の朝の日常風景になっていた。
写真撮影者:慶應義塾大学2年 岸元紗奈
2014年5月30日(金)18時14分
小田急線代々木八幡駅(東京都渋谷区代々木5-6-1)にて撮影

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