1.時の流れに身をまかせ ―姿を消した日暮里問屋街―

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 2007年の新交通システム日暮里舎人線開業に合わせた再開発が進む、日暮里駅東口周辺。
 その一角には終戦直後から2004年9月まで、木造の長屋が建ち並ぶ駄菓子問屋街が存在していた。戦後の闇市を起源に、地元に多くの菓子製造業者がいたことから形成された。最盛期の1950年代には100軒以上の問屋があったが、高度成長期以降、駄菓子屋自体の減少や中小の問屋を介さない流通の増加等によって需要は激減。取り壊し直前は、8軒がひっそりと残っていた。近年、台場1丁目商店街など「昭和」を商品化したテーマパークが人気を得る中、ここも「古き良き時代」を満喫できる場所としてマスメディアに紹介され、買物客や観光客が増えた。しかし単に「懐かしい」というだけではやっていけない。2軒は再開発後の40階建てのビルに移転する予定だが、他の店は潮時と考え閉店する。
 「昭和の面影」が消えた日暮里。その中で営業継続を選択した店は、小売店相手の商いという問屋本来の機能に特化して、今生まれ変わろうとしている。
写真撮影者:日本大学2年 荒井沙彌佳
2004年6月13日(日)10時半頃
日暮里菓子玩具問屋街(荒川区西日暮里2丁目)にて撮影

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