16.100円で得られる快適空間 ―人ごみの中のゆとり―

2002_16_100円で得られる快適空間.jpg
 新宿駅東口にあるこのトイレ、入場するには100円を払わなければならない。その分無料トイレと比べて清潔、内装や設備も高水準で、そして何よりもすいている。ゼミで調査したところ、有料トイレの利用者は、2002年9月6日(金)7:00-21:00の14時間で僅か448人(男性276人・女性172人)でしかなかったが、中央東口改札内に設置されている無料トイレの方は、同年10月4日(金)8:00-21:00の13時間で13,945人(男性9,788人・女性4,157人)も数えた。この見事なまでの落差。有料トイレ利用者は、トイレだけでなく、着替える人、添え付けのコンセントや鏡を使って身支度を整える人、中には洗濯までする人などと利用目的は多種多様であり、滞在時間も長い(1人平均7分45秒)。
 多くの人々がせわしなく行き交う新宿駅。設置されてから40年を迎えるこのトイレは、空間的・時間的なゆとりを享受できる場所として、あたかも異空間のように存在してきた。
 「チャリン」。また一人、ゆとりを求めてコインを入れた。
写真原作者:日本大学2年 梶山剛志
2002年7月4日(木)午後6時10分
新宿駅東口構内にて撮影

地図


大きな地図で見る

プロジェクト