11.立ち止まらせる広告と流し見させる広告 ―連絡通路の宣伝効果―

写真1

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 新宿駅の1日の平均乗降客数は、約326万人(2011年)で世界一。JR各線、京王線、小田急線、地下鉄各線が乗り入れるターミナルゆえに、乗り換え客が非常に多い。その結果として、連絡通路があちこちに設けられる。写真1の東西を地下で結ぶ「メトロプロムナード」や写真2の京王線(JR連絡口)とJR線を結ぶ連絡通路、などがそれである。
 通路には常時大勢の人が行き来するので、格好な宣伝の場となる。写真1には、約80mの壁面に4面の巨大広告が掲載される一画があり、広告と連動した宣伝イベントも行われる(写真1の写真には嵐の日替わり広告が写っている)。写真2には、両側に32面の広告パネルが設置されているが、人通りが多く通路幅も狭いため、足を止めて見ることは難しい。
 後藤ゼミでは、日大文理学部生404人を対象にアンケート調査を行った。写真1を月1回以上利用している73人中36人が、写真2を月1回以上利用している331人中231人が、内容を覚えている広告があると答えた。
 広い空間のある写真1では、人々を立ち止まらせることに成功すれば効果が得られる。一方写真2のような狭い空間では、連続的に同じ広告を並べ、否応なしに流し見させることでインパクトを与えている。空間特性を生かした広告展開をすることで、人々をうまく印象操作できる。新宿駅の連絡通路は、それ自体が極めて効果的な広告塔なのである。

写真2

新宿広告?main.jpg
写真1写真撮影者:日本大学4年 ジョン美正
2013年7月8日(月)13時38分
新宿メトロプロムナード(東京都新宿区西新宿1丁目西口地下街1号)にて撮影
写真2写真撮影者:日本大学2年 金沢優志
2013年7月22日(月) 12時頃
JR線・京王線新宿駅間の連絡通路(東京都新宿区西新宿1丁目1-4)にて撮影

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