21.新橋へのSympathy ―ゲイの文化とゲイバーの分化―

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 新橋にあるゲイバーの店内に貼ってあるのは、各地のゲイバーの広告である。ゲイバーのメッカは新宿二丁目だが、新橋や上野、浅草にも多数存在する。写真のポスターを見比べると、エリアによって特色が異なっていることが分かる。右上の2つは、裸の男性の写真や祭りの格好をした男性(ひげ熊系と呼ばれる)のイラストを使い、派手でインパクトがある。これらは新宿二丁目の店の広告であり、二丁目では野郎系、ジャニーズ系、体育会系などの嗜好ジャンルごとにゲイバーが専門分化する傾向が強い。他方、その他のシックなポスターは新橋のゲイバーの広告だ。新橋にはゲイバーが70軒ほどあるが、ゲイバーの分化はあまり見られず、気軽に多様な交流を楽しめるのが特徴である。ゲイバーの集積が大規模でメジャーで専門分化している敷居の高い新宿二丁目を避け、新橋に足を運ぶ人々も多いという。そうした住み分けが生まれるほど、ゲイ文化は成熟しているのである。
写真原作者:日本大学4年 楊盈璋
2001年5月25日(金)
ゲイバー「スイッチ」(港区新橋)にて撮影

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