6. 便利なのに不便? ―京急蒲田駅のジレンマ―

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 羽田空港からの赤い電車が、京急蒲田駅に接続する曲線状の高架橋まで来ている。左手の路線(本線)は、手前が横浜方面、反対が品川方面となる。駅周辺は再開発の真っ最中で、建設中の複合型駅ビル「あすとウィズ」(2015年12月開業予定)が顔をのぞかせている。
 京急蒲田駅は、1901年に開設され、1993年の羽田空港線の開業を経て、2002年より連続立体交差事業がはじまった。2012年には3層構造の駅舎が完成したものの、列車によっては発着する階が異なり、ホームの両端(最長で約400m)を移動しての乗り換えが強いられることもある。この時、「蒲田ダッシュ」と呼ばれる現象が引き起こされる。
 京急沿線の横浜方面や、相互乗入れする成田空港方面のほか、JR上野東京ラインの開通に伴い、千葉方面や埼玉方面、あるいは茨城方面と、より広範囲からの人口流動が増加する京急蒲田。首都圏における羽田や成田空港への中継地点となる“広域”での結節性が向上する一方で、駅構内での接続性が低下するというジレンマに陥っている。
写真撮影者:日本大学4年 佐野風花
2015年7月30日(木)13時31分
京急蒲田駅東口歩道橋上(東京都大田区蒲田4-50-10)にて撮影

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