7.東京一畳劇場 ―性風俗の裏側―

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 「・・・もしもし、こんばんわ。君何歳?」「26歳で結婚しているんですけれどもぉ」

 電話の向こうの男に対して平然と答えるのは、21歳の独身女性。ツーショットダイヤルのサクラのアルバイトをしている。地下鉄丸ノ内線「中野坂上駅」から徒歩1分、青梅街道に面した雑居ビルの1フロア、 一畳程に区切られた部屋が彼女の舞台だ。電話線でつながった男達のニーズに合わせて、「寂しいOL」「欲求不満の主婦」「SMの女王様」などを演じ分けることになっている。しかし相手は見えないし、所詮はバイト。本来の素の自分が残ってしまうし、完全な役割演技にはならない。でもそれに気付くこともなく満足する男達。彼らは、サクラ達の現実と妄想の狭間を知ることなく、この狭い空間に役割の数だけ世界を見い出す。そして彼女たちは、演ずる6コースの役柄に応じて、1分30円(時給に換算すると1800円)?45円(同2700円)の報酬を得る。
写真原作者:日本大学4年 松本由香
1999年8月30日(月)18時頃
中野区本町にて撮影

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