15.新宿の目―西新宿の歩みを見続けてきた先に―

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 3m×10mの巨大な目、右横には「スバルビル 新宿の目」の文字。新宿駅西口正面に位置する新宿スバルビルの地下に広がる光景だ。スバルビルは富士重工業の本社として1966年に竣工、新宿の目は1969年に誕生した。ビルは2010年に小田急電鉄に売却され、本社は2014年に恵比寿に移転したが、ビルも屋上のスバルの看板もそのままになっている。
 1970年代に始まった西新宿の超高層化と地下空間の膨張は、人々を地下に下ろし、地上では高層ビル以外を目立たなくさせた。地下通路の通行人は非常に多く、私たちが9月30日(金)の午後に実施した目視調査によれば、1分あたり平均80人を越えた。だが、ここで立ち止まる人は少なく、「目」をカメラやビデオに収める人が僅かにいる程度だった。
 2015年4月、小田急電鉄は、小田急百貨店本館、ハルク、ミロード、スバルビルなどを対象とする再開発計画の検討を行うと発表した。この再開発で中層ビルを主体とするこの地区がどう生まれ変わるのかを、「新宿の目」は見届けることができるのか。
写真撮影者:日本大学3年 桑原嵩
2016年6月21日(火)11時18分
新宿駅西口地下広場(新宿区角筈2-73)にて撮影

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