24.黄色ののぼりと地域連帯 ―地域の自決権をめぐる攻防―

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 江戸の風情が残る散策スポットとして知られる、台東区の谷中・上野桜木地区。現在、マンション建設反対運動が起きている。「この町の環境・景観を著しくおとしめる」というのが反対の理由だ。以前、同様の紛争が起きた折、住民たちは黄色のボードやのぼりに抗議文を書き、建設設計図を提案して計画を変えさせた経験を持つ。今回の運動もこの形式(「谷中方式」と呼ばれる)をとっているが、企業側との折合はついていない。「運動を通じて、今でも味噌や醤油を貸し借りする間柄に、さらに地域の連帯感や交流が増してきたんだ」と事務局長は語る。住民達は「谷中・上野桜木地区まちづくり憲章」を定め、その第一に「自決権」を掲げて、「住民自身が町の現在と未来を考え、決めていくようにしましょう」と宣言している。この環境を売りにしたマンションを建てようとする企業側と、この環境を守ろうとする住民側とのせめぎ合い。「自決権」をめぐる攻防でもある。
写真原作者:日本大学4年 矢田直子
2001年7月14日(土)13時
台東区谷中にて撮影

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