2.マスク制服化の向こう側で ―東京人の合理性と非合理性―

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 マスク、マスク、マスク。JR品川駅の東(港南口)西(高輪口)を結ぶ中央通路の、港南口付近の月曜日の朝8時(上)と、東急池上線五反田駅のJR山手線乗り換え改札口付近の木曜日の午後0時半頃(下)。性別や年齢にかかわらず、写真に映っている全ての人がマスクを付けている。コロナ禍にあって、3密(密閉・密集・密接)空間で人からうつらない/人にうつさないために、科学的な知見に基づく合理的な行動を選択しているように見える。
 では、風通しの良い屋外の非3密空間で、「東京人」はどんな行動を取るのか。私たちは、2020年11月10日(火)の昼過ぎ、高尾山の山頂から下山しながら、登ってくる人々を直接観察してマスク着用の実態を調べた。結果は、549人中82人がマスクを付けておらず、非着用率は14.9%だった。山の中とは言え、グループ行動の場合は飛沫感染のリスクが拭えないので、単独行動か否かを区別して調査する必要があったができなかった。ただ、非家族のグループ<家族連れ<単独行動の順でマスク非着用率が上がっていく傾向は看取できた。
 世界保健機関(WHO)は、10月2日に発表した「マスク着用に関するガイドライン」で、物理的距離が最低1m以上確保できる屋外ではマスクは不要としている。厚生労働省も、5月に「屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクをはずすようにしましょう」と呼びかけた。
写真撮影者(上下共):日本大学3年 伊東澪
(上)2020年7月27日(月)7時59分
JR品川駅港南口近くの中央通路(東京都港区高輪3丁目)にて撮影
(下)2020年6月4日(木)12時35分
東急池上線五反田駅のJR山手線乗り換え改札口(東京都品川区東五反田1丁目)にて撮影

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