8.新・新大久保 ─韓流の脱「20世紀」─

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 何やら店の前に人だかりができている。若い女性が多く見られる中で、男性も何人か見受けられる。見上げると、そこには「韓流百貨店」の文字。JR新大久保駅から徒歩1分、大久保通りに面した韓流グッズ専門店だ。新大久保一の面積を持ち、韓国の食品や化粧品、韓流スターのグッズ、CD・DVDと、幅広く品を揃えている。
 新大久保は1980年代以降、韓国人移住者が増加して「コリアンタウン」と化した。その後、2002年の「日韓共催W杯」や2003年の「冬ソナブーム」など、日本で韓流旋風が巻き起こると、音楽・アイドル・美容・グルメと市場が拡大し、「韓流文化の拠点」を担うようになった。現在では日本人が大挙して訪れる「東京の一大観光地」になっている。
 韓流文化は、次第に「ブーム」を越えて「日常」に染み込み、現代日本社会に定着していった。その結果、20世紀には「(地理的に)近くて(社会的・心理的に)遠い国」だった韓国が、今日では「最も近くて最も近い国」へと転換したのである。
写真撮影者:日本大学4年 岡野慎治朗
2011年7月23日(土)16時30分
韓流百貨店(新宿区百人町1丁目)にて撮影

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