9.デジタルからアナログへ? ―テクノロジーの人間制御の果てに―

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 北新宿にある1軒のレコード店。アナログレコードが相当なスペースをとっている。 CDが売上げを伸ばす一方で、ここ数年、レコードが見直されている(生産量は、1995年が53万枚、1996年が94万枚、今年は8月の時点ですでに65万枚を突破)。理由は人それぞれだろうが、アナログの暖かい音にこだわりを持っている人は少なくない。コンピュータが生活のありとあらゆる場面に入り込んでいる現在、情報のやり取りもデジタル化を進めている。パソコン通信やインターネットの利用によって、人と人とのコミュニケーション自体がコンピュータによって制御される傾向を強めている。テクノロジーの進化に反して、人間が身体を媒介させてコントロールできる領域がどんどんと狭くなる。そんな社会だからこそ、自分の手と感性で自在に操れるアナログレコードが見直されるのだ。
 それは20世紀の文化遺産、それとも21世紀へ向けてのニュー・カルチャー?
写真原作者:日本大学4年 平井健一

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