14.♪線路は続くよどこまでも♪ ―広がる「東京」事情―

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 JR池袋駅に設置された「湘南新宿ライン」の横断幕。2001年12月に運転を始め、新宿経由で東海道線・横須賀線と高崎線・宇都宮線を一本で結び、最長営業キロは小田原⇔前橋間で約200kmにも及ぶ。2004年10月のダイヤ改正では、一日38往復から64往復に増発された。既存の東海道線・横須賀線と総武線快速との直通運転と合わせ、東京を中心に神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木の全ての県庁所在都市が鉄路により相互に結ばれている。
 こうした鉄道ネットワークの拡充は、表向きは一極集中の緩和策と考えられている。横浜MM21・幕張新都心・さいたま新都心などの東京の中心部から「自立」し得る新都心を開発して、相互に連携できる「交通」によって、多核・多圏域の分散型の「首都」に改造する計画に基づいているからである。
 だが、利便性の向上は、以前は通えなかったエリアを通勤・通学圏内に変えることを意味する。湘南新宿ラインは「東京」の中心性を一層高め、さらに外へと広げることになる。
写真撮影者:日本大学3年 加藤智明
2004年8月31日(火)17時35分
JR池袋駅ホーム(豊島区南池袋1丁目)にて撮影

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