17.夜の銀座と露店の花屋 ―質より量の花の魔力―

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 ここは銀座8丁目、新橋と接する御門通りから並木通りを望む地点である。両サイドに駐車する車列の左側手前に、露店の花屋が店開きしている。
 銀座では、各丁目毎に正規の花屋が数店舗 (7丁目で7店、8丁目で4店) 営業しており、元々花屋密度の高い街である。私たちの3回に及ぶ調査によれば、多くの正規店が店仕舞いした夜間、軽トラックの露店の花屋が6~8丁目界隈に少ない時で5店、多い時で7店も出没し、1-5丁目では1店も確認できなかった。警察の取締りの網をくぐって、露店が6~8丁目に何店も現れるのは何故か? 答えは単純明快だった。6-8丁目は高級クラブが密集する夜の街であり、プレゼント用に花を求める客が多いから。露店で花 (1人は1輪、他は3-5千円程度の花束) を買った12人を追いかけた結果、11人がクラブへ入っていった。
 銀座のクラブ関係者3人にインタビューしたところ、花は店やホステスの人気を表すバロメーターであり、質より量が重視されると言う。銀座の花は夜開く、のである。
写真撮影者:日本大学3年 栗原 理恵
2008年9月9日(火)22時13分
銀座御門通り (中央区銀座8丁目) にて撮影

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