5.時代と共に流れゆく―東京湾に屋形船が浮かぶ理由―

 お台場の砂浜とレインボーブリッジの間に広がる東京湾の海上に、屋形船が2艘佇んでいる。平日と言えども、夜になれば沢山の屋形船で賑わう。
 屋形船の運行業者(船宿)は、隅田川流域・東京湾に32軒、荒川流域に2軒、旧江戸川流域に4軒、全部で実に38軒もある(屋形船東京都協同組合のWebサイトを参照)。江戸時代、大尽が屋形船で芸者を侍らせ花見や月見や花火見物などに興じる姿が浮世絵でよく描かれていたが、そうした贅沢三昧な船遊びはすっかり廃れてしまった。現在は、15名以上の団体が貸し切る「貸切船」といくつもの乗船場から個人や小集団で乗り込む「乗合船」があり、いずれもお台場、スカイツリー、舞浜リゾート・葛西臨海公園などの周遊コースが設定され、2時間?2時間半をかけて食事や景色や風情を楽しむというものになっている。通常料金は1人税別で1万円、特に夜景の美しい夜間が人気だ。
 東京の水辺は、いつの間にやら屋形船から景色を愛でる観光スポットとなっていた。
写真撮影者:日本大学4年 西山翔平
2017年6月26日(月)18時06分
お台場海浜公園(東京都港区台場2丁目3)にて撮影

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