19.円都(イェンタウン) ―東京の中の異国―
アジア系を中心にさまざまな国籍の外国人が集まる街、大久保。ここには、アジア各国からやってきた人々が、食事や買い物をするための料理店、食材店、衣料品店が数多くある。日本語の通じる店もあるが、片言の日本語を話せる店員が一人いるだけという店も多い。東アジアや東南アジア諸国の現地語が飛び交う店内は、映画「スワロウテイル」(岩井俊二監督)に出てくる「円都(イェンタウン)」のようである。店に並んだ品物の豊富さ、ラベルの文字は、極めて“現地度”が高く、混み合っている店内では、“異国人”は我々日本人のようだ。深夜になると、アジア各国の空気がもっとずっと濃密に漂い、ここは外国なのではという緊張感が身を包む。
こうした無国籍性(≒雑多性)が、この一見怪しげな街の魅力を醸し出しているのに違いない。
こうした無国籍性(≒雑多性)が、この一見怪しげな街の魅力を醸し出しているのに違いない。
<写真原作者:日本大学4年 宮下誉樹>