11.「撮られるなんて、予想外です。」 ―高架下の高級車―

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 「あれ、何ここ?」。クラウン、セドリックなど黒塗りの高級国産車が、JR有楽町-新橋間の高架下の薄暗いトンネルから顔を出している。明らかにミスマッチな光景だ。
 千代田・中央・港の3区が交わる点に位置するこの場所は、日本交通(株)のハイヤー営業所である。街中を流すタクシーとは違い、ハイヤーは企業の役員などを主な得意先とする完全予約制の送迎車であり、利益を上げるためには顧客に近い立地が求められる。でも、大企業の本社や中央官庁が集まる都心部とはいえ、なぜ高架下を車庫にしたのだろう?
 答えは借地料にあった。高架下は電車が走る鉄軌道用地に区分されるため、値段が格段に安い。このような超一等地にあっても、それは例外ではないのだ。
 「あくまでも費用対効果。企業ですから」と語る営業部長の言葉どおり、企業の経営戦略によって生み出されたこの奇妙な光景は、道行く人々の目を惹きつけてやまない。
写真撮影者:日本大学3年 森 明霞
2007年7月15日(日)14時30分頃
JR有楽町-新橋間の高架下(千代田区内幸町1丁目)にて撮影

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