19.コクがあるのにキレがある? ―意図せざる広告効果―

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 「何あれ?」「アサヒビールのビルだよ」「TOTOかINAXで しょ?」「違うよ」「いや、絶対そうよ!」。浅草のシンボルの一つともなっているアサヒビールの本部ビル。このオブジェは、ビー ルの泡でもウンコでもない。新世紀に向かって飛躍するアサヒビールと社員の燃える心をイメージしてつくった“炎”なのだそうだ (広報課への電撃取材)。
 ビールジョッキをかたどって作ったビルの右側のオブジェがほとばしる泡ということであれば、まさにビール会社ならではとなり、イメージにぴったりマッチする。
 おなじみの“コクがあるのにキレがある”「アサヒ・スーパードライ」は、大ヒット驀進中であるが、本部ビルのイメージ戦略においてはどうであろうか。“炎”でもなく、密かに狙ったと思われた“泡”でもなく、どうしても“ウンコ”に見られてしまうというアイロニー。“ウンコの炎”じゃあ、コクがあるのに、キレはない。
写真原作者:日本大学4年 小口あいこ

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