4.副都心から新都心への転換点 ―サインリングが意味するもの―

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 正面にそびえ立つ新宿アイランドタワー(1995年竣工)。写真には写っていないが、左手側から新宿三井ビル(1974年)、新宿センタービル(1979年)、損保ジャパンビル(1976年)、新宿野村ビル(1978年)と70年代を代表する超高層ビルがぐるりと取り囲む。交差点には、宙に浮いているかのような円形の構造物。赤、青、黄色のライトが点き、車や人が往来している。高さ15m、直径54mの信号機「兼」街灯「兼」ゲート(門)である。その名を「西新宿サインリング」と言い、「交差点ゲート計画」によって1991年に設置された。
 西新宿は、1971年の京王プラザホテルを皮切りに高層ビルが建ち始め、「副都心」として整備が進んだ。それが、1991年の新都庁舎の完成を機に、サブからメインに格上げされていく。高層ビル群が同心円状に形成されていった“起点”にゲートを設置したのも、都庁舎移転に合わせ新宿を「新都心」に再定義しようとした、と見ることが可能だ。つまり、ここに“新”都心のシンボル性が“新たに”付与されたのである。
写真撮影者:日本大学4年 河村雄一
2010年5月29日(土)19時13分
新宿警察署裏交差点(新宿区西新宿1丁目)にて撮影

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