1981年 なめねこ登場

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かわいいネコにセーラー服や学ランを着せ、ツッパリ暴走族やハチャメチャ応援団に仕立て、≪なめんなよ!≫と幟を掲げる。こうしたポスターが街にあふれる珍現象が起きる。600万枚が捌け、免許証スタイルのカードは1200万枚を売り上げた。交通違反の臨検で警官にこのカードを突きつける若者が後を絶たず、警察庁が発売元に抗議する一幕も。ネコと暴走族を組み合わせる異化効果はなかなかに絶妙である。それは「なめる」という言葉の両義性にも云える。それにしてもこれはナンセンスなだけの単なる冗談グッズと受けとめるべきなのか。それとも反権力のアピールを込め、暴走族の市民権を求める運動なのか。2006年に警視庁は暴走族追放キャンペーンでこのキャラクターを使用する。その「昇格」が物語るように、所詮は意味性のない穏やかなナンセンスの域を出ていないのではなかろうか・・・。ちなみに発案者の津田覚氏はこのナメネコで29歳にして24億円の大儲け、その後もアメリカのグリーティングカードにして80万枚を売り、2億円を稼いだという。

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