28.捨てる紙あれば拾う紙あり ―都心ならではのリサイクル―
新宿南口の週刊誌売りの露店。都心部の駅前や地下鉄構内で日常的に見られる光景である。電車の網棚や駅のゴミ箱から雑誌を拾い集め、輸送し、店頭に置く。この一連の流通経路は、徹底した役割分担と共に組織化されている。 郊外から都心へと向かう通勤路線のターミナル駅は、毎日人ごみでごった返し、大量のゴミが吐き出される。そうした中でホームや構内でのゴミの分別収集化が進むと、再利用可能な状態で回収できるマンガや週刊誌の量が増大することにもなる。「新発売」の日に、これだけの種類と数が揃う雑誌(情報)の入れ替わりの早さ。良くも悪くも多様で、懐深い「東京」の姿が重なる。
写真原作者:日本大学2年 三澤周平