18.巨大な実験室“Tokyo” ―斬新であり続けるための要素―

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 巷でインターネットがブームとなって、はや2年。これに目を付けて、カフェという商業形態とドッキングさせた「インターネットカフェ」なるものが登場し話題を呼んだ。娯楽としてインターネットを手軽に楽しむ場を提供する商売だ。これは、世間で話題のモノを素材とした実験的な側面も持っている。「インターネットカフェ」のケースでは、実験は成功したと言えよう。インターネットという言葉を世間に流布し定着させることにも一役買った。しかし、この商売に永続性はない。インターネットが完全に普及すれば、廃れていく運命だから。それに、実験というものはいつかは終了するものなのだ。  東京という巨大な実験室の中では、次から次へと新しい実験が試みられている。何かを世間に定着させるような成功例は決して多くはない。しかし、こうして行われる無数の実験は、東京を新奇と刺激に富んだ街にする要素となる。
<写真原作者:日本大学4年 工藤悦子>

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