12.自由と無関心の共存 ―まなざしの非交差―
とある宗教団体のデモンストレーション。今にも明るい歌声が聞こえてくるような気がする。「東京」という自由な雰囲気に包まれた街にうまく溶け込んでいる。その表情からは、何かしらの思い入れを込めて自分達を表現している様が見て取れる。好対照なのは通行人だ。自由に寛大でありながら、同時にまったくの無関心。まるで反応を示してはいない。
東京は、匿名性と多様性が高いが故に、「自由」と「無関心」が共存できてしまう。人々はそこに大きな魅力を感じとる。しかし、二種類の視線は決して交わらない。その非交差性が、コミュニケーションや言語に乏しい大都市の有りようを映し出している。
東京は、匿名性と多様性が高いが故に、「自由」と「無関心」が共存できてしまう。人々はそこに大きな魅力を感じとる。しかし、二種類の視線は決して交わらない。その非交差性が、コミュニケーションや言語に乏しい大都市の有りようを映し出している。
写真原作者:日本大学2年 岸本聡子