20.ビル群に眠る平将門 ―都心の怪談―

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 オフィス街、大手町(千代田区)のビル群の一隅。人の手によって造られたものではあるけれど、木々の緑や公園とは明らかに異なった雰囲気を醸し出している。そこは「将門の首塚」。道の向こうを歩いていたサラリーマンがふと足を止め、散策してまたどこかへ歩いていった。普段道行く人は、さして気にもとめない。が、オフィスビルに取り囲まれた敷地内には、近代科学とは切り離された明らかに異質な空間が密やかに存在している。
 首塚には将門の怨念がこもっている、と今に伝えられている。過去に取り壊そうとして関係者が死亡した、という言い伝えもある。しっかりと語り継がれる現代都市の口承文芸。
 近代科学を駆使したビルが建ち並ぶ大都会「東京」にも、こんな非科学的ないわれのあるものがぽつんと存在しているのだ。これも一つの異質多様性なのか、それとも、人の心の奥深くにあるダークサイドの投影なのか・・・。
写真原作者:日本大学4年 田沼恭子

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