5.見られる/魅せる対局

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  有楽町のバーでの立ち囲碁パーティと新橋のSL広場での大盤将棋大会。開かれた場での対局は、否応なく他人に「見られ」、アマチュア棋士たちも自分の実力を他人に「見せて」いる。時には、周りの人々を「魅せる」ことだって、ある。

朝日新聞ロゴリード画像.jpg Photo Story 2015年9月25日 「ちょいと一局」
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  日曜の昼下がり、東京・有楽町のバー。白黒の石が並ぶ盤面を、グラスを手にした男女が立ったまま囲む。月に一度の「Stand up IGO!!」と銘打った立ち囲碁のパーティーが始まった。
  入門用の小さな盤で初めて碁を打った女性(25)は「今までお年寄りの遊びと思っていた。地味だけど、実はおもしろい」。
  企画したのは20代の囲碁経験者4人が立ち上げた「IGOホールディングス」。社長の若柳諒さん(25)は日本棋院の元院生で、アマ七段の実力者だ。「囲碁は磨けば光る珠(たま)。まずは受け皿を作りたい」
  レジャー白書(2015年)によると囲碁人口の半分以上が60歳以上。高齢化が進む囲碁界に、若者が一石を投じる。
(写真・文 林敏行)
2015年9月25日 朝日新聞夕刊 1ページ 東京本社 
Nマークリード画像.jpg 後藤ゼミナール 2006年度 No.16 「Silent Talking ―新橋大盤将棋大会の熱気」
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  特大の盤と駒、それを取り巻く無言の人々。新橋SL広場の一角では、4-10月の毎土曜日の12-18時、地元の商店連合会主催で参加無料の大盤将棋大会が開催される。1972年に始まり、16枚の盤を前に1日約100人が対局し、200人前後が観戦する。
  2006年9月16日(土)、33人を対象に聞き取り調査を実施したところ、50-70代の男性が中心(平均年齢61歳)、常連客が多く(初めて来たは4人、20年以上が6人も)、職場が新橋か近辺である(あった)が15人、23区内に住んでいるが20人(隣接3県10人)という結果が得られた。広範囲から人を集めていることがわかる。
  ここでは、声を出すことをはばかる空気が漂っている。互いの思考を読み合うことで「将棋を通して会話するんだ」と語った人もいた。偶然通りかかった人でも気軽に参加できるが、主催者によりレベルを考慮した対局が組まれるので熱を帯びる。
  将棋好きが真剣勝負する見せ物が、新橋の土曜の風景として根付いているのである。
写真撮影者:日本大学4年 永山悠 
2006年6月17日(土)14時30分頃
JR新橋駅前広場(港区新橋2丁目)にて撮影

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