6.欲望を喚起する装置

2018-6朝日新聞比較画像.jpg6.後藤ゼミ比較画像.jpg
  毎日10人以上のモデルを使って、通販サイトに載せる夏服を撮影中。かたや電車内の中吊り広告。ネットの世界であれリアルな世界であれ、人々の目を巧みに誘導する。それらに接した私たちは欲望に火を付け、販売促進に貢献する、というわけだ。

朝日新聞ロゴリード画像.jpg Photo Story 2018年7月21日 「着せ替えラッシュ」
6.朝日新聞メイン画像.jpg
  シャッターを切るごとにストロボの閃光(せんこう)が走る。撮影を待つ千点以上の夏服が、ハンガーにつるされうっすらと浮き上がる。洋服のネット販売会社「マガシーク」の物流倉庫(神奈川県座間市)だ。
  画像はパソコンに転送され、商品説明が加えられると瞬時にショッピングサイトに公開される。日々10人以上のモデルが対応している。
  注文の7割はスマホから。指先ひとつで注文できる便利さに対応するため、倉庫は休みなく稼働し続ける。
(写真・文 遠藤啓生)
2018年7月21日 朝日新聞夕刊 1ページ 東京本社
Nマークリード画像.jpg 後藤ゼミナール 1998年度 No.25 「気がつけば中吊り ―視線の誘導―」
6.後藤ゼミメイン画像.jpg
  ラッシュ時の超満員電車。外も見えないし、新聞も本も読めやしません。一方、写真のような昼間の空いている車内。座っていても立っていても、なーんもやることがないことだってある。そんな時、あなたもいつの間にか目で追っていませんか、中吊り広告を。そうでしょ!これが、知らず知らずのうちに視線を向けてしまう中吊り広告の「視線誘導効果」ってやつなんだな。窓上よりもずっと沢山の人が目に止めるのです。想像力を働かせながら結構じっくり見るから、印象にも残るのです。販売促進にもつながります。だから、窓上より中吊りの方が掲示する期間が短くて料金が高いのです。JR山手線を例にとると、窓上の場合は4日間・1640枚で77万8千円であるのに対し、中吊りは2日間・2560枚で180万4千円です(98年4月現在)。東京の料金は別格です。めちゃくちゃ高いです。それだけ、人がぎゅうぎゅう詰めにされてるってことですね。
写真原作者:法政大学3年 渡辺あゆみ
1998年7月8日(水)午後9時頃
営団地下鉄・千代田線の車内にて撮影

朝日新聞 地図



プロジェクト