4月17日 ゼミ後半

前半の「昨日の日経」も終わり、ゼミ後半は昨年末放送されたNHKの「青春リアル」の鑑賞から始まりました。
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後藤ゼミナールは昨年のキャプションの一つとして反原発運動を取り上げていました。その調査の中でNHKの記者の方と出会い、密着取材を受けこの番組で放映されることになりました。ゼミで反原発運動を行う人々の集団心理について議論する様子も番組内で放送され、いつもとは違う角度からゼミの様子を知りうる機会にもなりました。
こうした外との関係性やつながりをどんどん増やしていけるところも後藤ゼミの魅力の一つだと思います。

つづいて、玉鉾さん平山さんを中心にチームを組んですすめているプロジェクトである「石垣島の奥谷さんの家」についてのドキュメンタリー映像を鑑賞しました。
奥谷さん一家はもともと神奈川県の大磯に住んでいましたが、原発事故が起きたことで悩みぬいた末、石垣島に移り住むことを決めました。
子供の安全や健康だけは確保したいという強い思いがこうした行動の原動力になっているようです。
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ドキュメンタリー作品の構成表
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プロジェクターを使い、説明を補足する4年玉鉾さん、平山さん

映像を見終わった後にこれからどういった視点でこの作品を作り上げていくべきかについての意見交換が行われました。
「この作品の意図はどこにあるのか」という質問を投げかけた4年泉くんや奥谷さん一家が石垣島に避難することを決断したとき、周りからは冷たい目で見られた。これは大衆的逸脱である。と書いている構成表に対して「なぜ逸脱しなければいけなかったのか。何を伝えたいのかわかりにくい部分がある。」と述べた吉田くん。
それについて、日本人は外国と比べて周りの目を意識して自分の決断をしがちな中、奥谷さんは「私の人生だから後悔はしたくない。」という思いをもって行動を起こしたので、自分の考えや信念をもって行動している人がいるんだということを伝えたいという意見が出ました。
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「まとめの部分につながりについて書いてあるが、映像を見ていてつながりが感じられなかった。」と述べる3年海藤さん。

ここで後藤先生からつなぐ、つながるというのがこのドキュメンタリー作品のキーワードであり、その部分を明確にしていかなくてはいけない。今の方向性では全然ダメ。奥谷さんを周りから逸脱している特異な存在という位置づけではなく共通するところを引っ張り出さなければ社会学にはならない。というお言葉をいただきました。
人が「こだわり」をもって生きるというのはどういうことなのか、それぞれが生きていく上で日常的にもっているこだわりが奥谷さん一家の場合は安全、安心に生きる。ということであり、原発事故が起こった際にひとりひとりが感じた安全に対する意識には普遍性があるのだから、その部分を映し出さなければいけない。そうすることで映像を見る人たちもよりリアルに感じることができる。とおっしゃっていました。
奥谷さん一家や反原発運動を通してそこから皆がもっている普遍性やそこからつながっていく人々の動きを感じることができました。

自分ひとりで生きていくことが可能になった現代において、他人と私、他人と他人をつなげる「つむぐるライフ」を実践している人がいるので、そうした人達の物語を集めてドキュメンタリー作品にしたらどうだろうという意見になりました。

このドキュメンタリー作品は今年の秋に公開予定です。
文責:棟近亜美(2013年度4年ゼミ生)

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