展覧会7日目(3)

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シンポジウムも終わり展覧会は、
早いもので7日目。

さぁ今日も呼び込みするかと意気込んで外に出るも、

「人足りてるから、中にいてー」

とのこと。そういえば前回は外にいるばっかりで、
会場内にいたことはほとんど無かったっけ。

肩透かしを喰らった感じで会場内を歩きながら
ふとお客さんの動きを見ていると、
最初の「建築ジャーナルの写真」の展示のように
「ゼミ展示の写真」も

ゆったり歩きながら、
写真は見ても、キャプションは見たり見なかったり。

というようなお客さんが多いような気がした。
普通の写真展の見方としては問題も無いのだけれど、
「写真+タイトル+文章」が一心同体の我がゼミの作品を
みるのに、これではもったいなさ過ぎる!

せっかく来てもらったのだから、お客さんに
自分たちが苦労に苦労を重ねた作品を
十分にわかってもらい、満足していってもらいたい!

そんな思いを抱いてるだけでは何も始まらないので

「何か聞かれるのをただ待つのみ」

という受けの姿勢から攻めの姿勢へと転じることを決心。

ちょうどゼミ生の展示がはじまった所で、
すかさず、おばちゃん二人組に話しかける
(勿論、周りのの数人にも聞こえるように…)

「えーここからゼミ生の展示で、
東京らしさのある写真
を課題に殆どがゼミ生が
撮ってきたものなんですよ。」

「えーこんなに??」
と想像以上の食いつきっぷりにこちらもびっくり

「はいーそれで写真をみて感じるおもしろさって何だろうって
考えて、それを色々と調べた結果っていうのがこの下の文章でして
ぜひ写真とタイトル、キャプション三つ合わせて見てほしいんです!」

「たとえばこの銀座・歌舞伎座を見てください
銀座はモダンなイメージがあるのにここだけ和風建築なのって
なんかフシギじゃないですか??」
などとと自分の担当班であったことを活かし、聴衆をぐいぐいと
引き込むように写真の周りの風景とかFWのことなどざっくりじっくり説明する、

「いやぁーおもしろいわねぇ!」

ムズカシイと思われはしないかと
心配だったけれど、なんだかすごい好感触!

「じゃあ、これは?」

と次の作品の説明も求められるのは嬉しい限り。

といった感じで、波状的にお客さんが、立ち止まって
じっくり見ている作品について

「これはですねー」と
さりげなく話しかけて、説明を試みる。

するとお客さんの作品を見る眼がガラリと変わってきて、
歩くスピードも、ガクンと下がるのが目に見えて実感できる。
劇的な「滞留率」アップだよこれは、攻めの効果、うんスバラシイ。

そしてさきほどのおばちゃんたちは
アンケートに書く展示番号を確認するために
なんと軽快に小走りをしながら、あちこちの展示を
行ったり来たりして、アンケートをしっかり書いてくれていた。

帰り際には、
「ありがとう楽しかったわよ、
こういうのはもっとやるべきよアンタ!」
と言ってもらえたのは、感無量。

うんこれはクセになる、もっと前からお客さんに
話しかけまくっていればよかったなぁ。
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(ちいさなお客さんも…毎年来てください!)

今日は、
「自分たちがやってきたことを、『わかってもらえる』んだ。」

ということを大いに実感できた。
だがそのためにはもっとお客さんに自分たちから
話かけて行かなければならないし、
話しかけて説明しなくても

「写真+タイトル+文章」

で合わせてみてもらえる展示方法を工夫しなければならない
などといった課題は多く残っている。
数字に一喜一憂するのも大切だけれど、足を運んでくださったお客さんに
本当に満足してもらうことを考えていくことも、大切だということだね。
文責:小出孝芳(2006年度3年ゼミ生)

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