2020年度 No.4 街でやたらに目立つ姿
─コロナとフードデリバリーと東京との関係─
大きなバッグを背負って疾走するフードデリバリーがやたらと目に付くようになった。①は、西新宿の超高層ビル街近くの交差点で、自転車に乗ったUberEats配達員が「TOKYO 2020」エンブレムのタクシーの手前で信号待ち。正面の安田火災海上ビルや新宿野村ビルなどでは目映い光が灯っており、まだ大勢が仕事中なのだろう。②は、JR立川駅北口から立川通りを600mほど行った住宅街の交差点で、自転車1台とバイク2台のUberEats配達員が信号待ち。自宅で食べ物が届くのを待っている人も少なくないのだろう。
東京都はもともと、1世帯当たりの1ヶ月間の外食支出額が47都道府県の中で突出して多く(総務省統計局「全国消費実態調査」)、1世帯当たり人員が最少でかつ単身世帯率が最も高い(同「国勢調査」)。外部の専門機関に依存する度合いが高いので(都会的生活様式)、食事も外で済ます傾向が強い。ところが、コロナ禍で3密を回避する必要性から外食を制限し、調理済みの食材を店で購入して職場や自宅で食べる中食や、フードデリバリーに頼る機会が結果的に増えることになった。
東京における需要拡大を前に、すでに全国的に事業展開しているUberEatsや出前館に加え、配達エリアはまだ都心区の一部に限定されるものの、menuやChompy、フィンランド系のwolt、韓国系のFOODNEKOなどが次々に東京進出を果たし、競争が激化している。
コロナとフードデリバリーと東京 には、このような関係性が生まれているのだ。
写真撮影者(①②共):日本大学3年 張辰尉
①2020年6月18日(木)20時01分
新宿大ガード西交差点の川安ビル前(東京都新宿区西新宿7-1)にて撮影
②2020年6月21日(土)20時30分
立川通りの立川女子校東交差点(東京都立川市高松町3-17)にて撮影