歌舞伎座FW(1班)

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→歌舞伎座正面

12時30分に現地(歌舞伎座前)集合。

(1)歌舞伎を観る!

 なにはさておき決まっていたことは
「どうせ歌舞伎座に行くならば、歌舞伎を見よう!」
歌舞伎座では「一幕見席」という、若い人や外国の人が気軽に見れるように、
四階自由席にて格安(800円程度)で見れる当日券があり、それを利用した。
正面入り口の左手にはすでに一幕見席の待ち列には50人ほどの列ができており、
客層はやはりお年寄り中心ではあるが若い人や外国人も目に付く。

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→歌舞伎座ならでは? ほかにお茶オンリーの自販機も
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→幕見席からの眺め。四階でも見やすく設計されてる感じ。天井近い!

 転げ落ちそうなくらいに急な階段で四階まで上り、客席に着くと、
おばちゃんたちの盛大にお菓子やお弁当を食べる音や香水の匂いと、
開演中もなーんか騒々しく中座もおかまいなしという
ざっくばらんな雰囲気に圧倒され、「格調高い歌舞伎のイメージ」は
音をたてて崩れ去った。よくいえばこれは歌舞伎の「大衆性」が
お客さんの内にこそ生きているということだろうか。

 自分たちが見たのは「雷船頭(かみなりせんどう)」と「外郎売(ういろううり)」
自分は予備知識無しに見たが、ロビーにはあらすじを書いたチラシが
置いてあるし、それぞれ20分弱、ほぼワンシーンで進む話なので、
わかりやすく、結構ついていけた。

それでも役者の緻密かつ活き活きとした舞踊、コミカルな早口の
言い立てなどはそれだけで理屈抜きに凄い!と思えるものであったし、
さらに「幕」を左から右にきれいに開けるために実は四人がかりであったり、
数人の黒子が縦横無尽に動き回る姿などアナログな舞台装置や演出の
妙の数々などすべてが新鮮に感じることができた。
中でも印象的であったのが、観客が役者の「決め」の演技での
絶妙なタイミングで
「ナァリタヤッ(成田屋)!」「タァチバナヤッ(橘屋)!」
などと役者の屋号を叫び、役者を称え、感激を表すというのが
なんともいえない耳心地よさであり、自分も言ってみたくなった。

(これは専門の大向こうの会というものがあり、色々と不文律があるらしく、素人お断り、まさにプロの仕事らしい。)

(2)歌舞伎座周辺を歩く

 歌舞伎終了後、昼食の探しがてら、北西のもうひとつの劇場
「新橋演舞場」の方へ。こちらは日産本社などが並ぶ整然とした
区画のなかにあり結構意外に感じた。
昼食後は、手がかりはないかと通りすがりに見つけた区民会館の人に
聞いてみると、「中央区役所なら歌舞伎座についての資料や話が聞ける
のではないか」ということで区役所に向かうことに。

 区役所では「併設の京橋図書館の地域資料室にて情報収集部隊」と
「都市整備部地域整備課にて銀座地区の開発などについて話を聞く部隊」
に分かれて情報収集。
前者では、資料室付きの司書さんの協力の下、地域(中央区)からみた
歌舞伎の資料、などを紹介していただき、後者では、担当の方に歌舞伎座の
建て替えの話やそれに関連して「銀座ルール」という特有の建築制限の話を
聞くことができ、テーマ・キャプション作りのため、
多くの材料を得ることができた。

(3)歌舞伎座の職員さんにインタヴュー

そして次はどうしましょうと話し合ったが当然の帰結として、
「直接歌舞伎座の方に話を聞かなければならない」ということになり、
歌舞伎座にバックアゲイン。

なんとか職員の方を見つけて話を聞く。最初は研修中の人であったが、
自分たちの質問につぐ質問に、なんと数段「エライ」であろう職員の方を
よんでもらうことができた。さすが、自分たちの些細な疑問から、
歌舞伎座の成り立ち、他の演舞場との違い、関係など何から何まで真剣に、
かつ軽妙に、にこやかに答えてくれた。

さらに、歌舞伎座の前で焼き栗売りをしているおじいさんにも話を聞くこと
ができた。

(なんと東京オリンピックのころからここで売っていたそうな 
自身も演劇の経験があるらしく「外郎売は大したことはない。
勧進帳は見たほうがいいよ」という話も…)

(4)銀座を歩く
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→銀座探索

夕方になり東銀座から銀座(繁華街)方面に散策、
最後に喫茶店で一服とテーマキャプションに繋がる切り口のまとめと
今後の展望について話し合いをし、
一斑解散。みなさんお疲れ様でした。
文責:小出孝芳(2006年度3年ゼミ生)

歩み